占いサイトに注意 「出会い系」への誘導の事例も



 携帯電話のメールを使った占いを利用した男性から「『大金が舞い込む』などと言われ二十万円を払ったが、効果が感じられない」との声が本紙生活部に届いた。占い師などになりすましてインターネットサイトの有料サービスに誘導する“サクラサイト”と思われる被害は後を絶たない。愛知県の弁護団は「占いという気軽さが多くの被害を生んでいるのでは」と指摘する。

 岐阜県の男性(48)は二年ほど前、週刊誌に載っていた「金運がよくなる」という携帯電話の待ち受け画像をダウンロードした。その直後から、それまで一通も来たことのなかった「開運占い」の勧誘メールが届くようになった。

 当時、母親が暮らす実家と自宅の両方のローンを支払っており、経済的に苦しかった。「ひょっとして」との思いからメールに返信してしまったという。多数の「占い師」からメールが来たが、一回無料サービスで試した中から二人の有料サービスを使うことにした。

 メールの内容は「額と胸に手を当て、三回深呼吸してから返信すれば、あなたに大金が入る」など。利用はポイント制になっており、受信にお金はかからないが返信を一通するごとに千五百円かかる仕組みだった。

 本名を入力しなくても「未記入者」として支払いができた。指定された銀行口座への振り込みだったが、なぜか三回も口座が変わった。怪しいと思いつつ、今年九月までメールを続け計約二十万円を支払ってしまった。

 「『あなたには誰にもない力がある』『あと一歩の努力です』などの言葉に乗せられた」という。この占い師は、サクラによるなりすましだと思われる。男性は「結局、お金が手に入ることはなかった」と話す。

 メールのやりとりをやめた後、占い師からは連絡がないが、ほかの業者から「四億円が受け取れます」「宅配業者の集荷センターに千二百万円を取りに来てください」など、メールが頻繁に届くという。「名簿が出回ったのでは」と心配する。

 愛知県のサクラサイト被害弁護団事務局長の鵜飼雅成弁護士(名古屋市)は「基本的に有料のメールによるサービスは怪しいと思った方がいい」と話す。弁護団のもとには、月に十五件ほどサクラサイトの相談が寄せられている。

 業者が一斉にメールを送信していたり、サクラを雇っていたりすると違法の可能性がある。今回のように、占いそのものではなくメール送信に対してお金がかかるのにも問題があるという。口座を何度も変えるケースもよくある。

 一度登録してしまった人には、別の業者からも次々メールが届く場合が多い。鵜飼弁護士は「個人情報は一度入力すると消せないので、名前や住所を入れる際は注意が必要」と話す。

 国民生活センターもこのような被害に対し注意を喚起している。手口としては、携帯電話のメールやソーシャルネットワークサービスのメッセージがきっかけになっているという。やりとりをするのにポイントを購入する必要があり、一通数百円の場合が多い。占いサイトから出会い系サイトに誘導する事例も。

 ほかに、芸能人や弁護士、異性などになりすますこともあり、手口は年々巧妙化している。同センターでは「おかしいと思ったら、お金を払わず地域の消費生活センターや弁護士などに相談を」と呼び掛けている。

≪引用元:中日新聞≫
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013112802000002.html





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