アイドルグループ「AKB48」元メンバーの前田敦子さんら芸能人を装ったメールを送って出会い系サイトに誘導し、高額な利用料を請求する「サクラサイト詐欺」に関与したとして、警視庁サイバー犯罪対策課が詐欺容疑で、ソフトウエア開発「フリーワールド」(東京)の専務の男(38)を逮捕していたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。男は海外に逃亡していたが9月下旬に帰国。同課はだまし取った現金の流れを捜査する。
捜査関係者によると、警視庁は平成25年に出会い系サイト運営会社「ウイングネット」(同)を摘発。事件では、前田さんらを装った「サクラ」がフェイスブックといった交流サイトを通じて「相談に乗って」などと持ちかけ、出会い系サイトに誘導。サイトではメッセージの送受信で1回数百円が課金されており、「連絡先を教える」などと期待を抱かせ、繰り返し利用させていた。
ウイングネットは22サイトを運営し、22年2月~24年6月で全国の約37万人から116億円を売り上げたとみられる。
警視庁はウイングネットを摘発すると同時に、利益の一部を受け取っていたとみられるフリーワールド側への捜査も行っていた。フリーワールドは芸能人のマネジャーを装ってネット利用者にメッセージを送信し、ウイングネットのサイトに誘導する役割を担っていたとみられる。
専務の男は社内での指示など重要な役割を担っていたとみられ、容疑について黙秘しているという。男は1年半以上海外に逃亡していたが、外務省が今年、旅券返納命令を出し、今年9月下旬に台湾から帰国していた。
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【用語解説】サクラサイト
業者に雇われたサクラが、異性、芸能人、社長、占い師などを装ったメッセージをやりとりし、有料サービスを利用させて現金をだまし取るサイト。メッセージの送受信には1通数百円分の利用ポイントが必要になる。突然届く広告メールや交流サイトのメッセージに書かれたURL(ウェブサイトのアドレス)を選択すると、業者のサイトに誘導される。
≪引用元:産経ニュース≫
http://www.sankei.com/affairs/news/161005/afr1610050001-n1.html